勇者の「過去への帰還」はほんまに正しかったんか?
もうだいぶん前の作品になるけど、久々にやって面白かったから書くわ。
ドラクエ11の終盤、ニズゼルファを倒して世界が救われた……と思いきや、主人公は時のオーブを壊して過去に戻るっていう選択をするんやな。
あれ、最初はめっちゃロマンあふれる展開やと思ったで。けど、よう考えたら“もうひとつの世界”が切り離されてしまうんよな。
つまり、グレイグやセーニャ、カミュたちと共に歩んできた“あの冒険の記憶”は、主人公以外の誰の中にも残らへんわけや。
あの壮絶な戦い、乗り越えてきた悲しみと絆、全部……消えるんや。
でもそれを選んだのは、亡くなったベロニカを救いたいという強い想いやろうな。あの時点の主人公にとって、世界を救うことと同じぐらい、それが大事やったんやと思う。
ただ、その代わりに背負うもんがデカすぎる。仲間たちとの時間、信頼、成長……それらを“ひとりで記憶してる”って、めっちゃ孤独なことやで。
「もう一度過去をやり直す」っていう展開は、王道RPGとしては珍しいどころか、かなり攻めた構成やと思う。普通はラスボス倒してエンディング、で終わりやん?
せやけど、ドラクエ11はそこで終わらへん。「あの未来はなかったことになりました」って、プレイヤーにも突きつけてくるから、重みがハンパない。
「ハッピーエンド」か、それとも「喪失の物語」か
この選択、ぱっと見はハッピーエンドに見えるかもしれへん。ベロニカが生きてる、世界も救われる、これでめでたしめでたしやろって。
でもその裏には、“もうひとつの未来”を失った切なさがずっと残るねん。
セーニャの覚悟も、カミュの成長も、マルティナとの絆も、全部「無かったこと」になってまう。
あの世界線では、みんな確かに生きて、戦って、傷ついて、強くなってたはずやのにな。
しかも、主人公だけがそのすべてを覚えてるという構造がまたキツい。
「みんな、ホンマはこうやったんやで」って伝えたくても、誰にも届かへん。これ、かなりの“孤独エンド”ちゃうやろか?
ファンの中でも、「あれって本当にハッピーエンドなん?」って意見が割れてるのも納得やわ。
ある意味、“自分だけが覚えてる記憶”って、一番しんどい種類の愛情なんかもしれへん。
せやからこそ、ドラクエ11の真エンドはただのご褒美ちゃう。
「取り戻せたもの」と「失われたもの」両方をちゃんと見つめさせられる、深い物語になっとると思うわ。
ロトの伝説との繋がりが示す“もうひとつの真実”
ドラクエ11の真エンディング、最後に主人公がロトの剣を掲げて、“そして伝説へ…”の文字が浮かぶあの演出。
初代ドラクエを知ってるファンからしたら、鳥肌立つぐらい感動的なシーンやったと思う。
でも、あれって単なるファンサやノスタルジーだけやないんよな。
あの一瞬で、「ドラクエ11の物語がドラクエ1の“はるか昔”に繋がってる」ってことが明確になったんや。つまり、11=ロトの始まりの物語ってことやな。
しかもやで、勇者が“過去に戻った”ことで時の流れが変わったって考えると、
この世界線こそが「伝説になるべき世界」やったんちゃうかって思えてくるんよ。
過去を変えたことで、“ロトの血を引く系譜”がここから始まる。
それが1→2→3と続いていく……つまり、ドラクエ全体が“11を起点とした壮大な輪”になっとるってわけや。
勇者とは何か?ドラクエ11が伝えたかったこと
ドラクエシリーズを通してずっと語られてきた「勇者とは何か」っていう問いに対して、11はめちゃくちゃ丁寧に答えてる。
それは、“魔王を倒す力”とか、“特別な血筋”とかやない。
自分ひとりが傷ついても、大切な誰かを救いたいと願えるかどうか。
それが、勇者の本質やってことを、この物語はちゃんと見せてくれるんよな。
主人公は、みんなと過ごした未来を犠牲にしてでも、ひとりで世界をやり直す決断をした。
それは「正解」やないかもしれんけど、**覚悟と優しさを持った“勇者だけの選択”**やったと思う。
そしてその選択が、ロトの名を生み、未来の世界へと伝説として語り継がれていく。
そう考えたら、ドラクエ11は「シリーズの原点」であると同時に、「全ての勇者の始まり」やったんやなって思うわ。
「勇者の物語」は、時代を超えて繋がっていく
ドラクエ11が示したかったのは、「いつの時代にも勇者はおる」っていうメッセージなんちゃうかな。
どんな世界にも、困難にも、その時代なりの“勇者”が立ち上がって、物語が生まれる。
11のラストで語られる“伝説”は、その象徴やと思うねん。
プレイヤー自身が、その伝説の1ページを見届けた存在なんやっていう実感も湧いてくる。
ほんで、改めてドラクエ1をプレイしたときに、「あの伝説の勇者が、ここに繋がってたんか…!」って気づいた瞬間、
ドラクエってやっぱすごい作品やなぁって再確認できるわ。
まだ書いてないこともあるけど今回はここまでやな。
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