アナザーエデン考察|音楽が紡ぐ“もう一つの物語”

「ただのBGM」やと思ったら大間違いやった

アナザーエデンの音楽って、いわゆる“ゲームのBGM”って枠を軽く飛び越えてる。
むしろ、言葉にならん感情や背景を語ってくれる、もうひとつのナレーションやと思ってる。

たとえば、バルオキーのメインテーマ。初期村の穏やかな日常を描くこの曲、優しいピアノと笛の音が、どこか懐かしくて、何気ない朝の匂いまで漂ってくる。
ほんで、いきなり未来都市エルジオンの曲になると、重厚なシンセと緊張感あるストリングスが襲ってくるやろ?
「うわ、時代飛んだ…」って、音で時代ジャンプを体感させる構成が天才的すぎるんや。

光田康典の魂が、時空を超えて鳴り響く

アナデンの音楽を語る上で、光田康典の名前は外せへん。
『クロノ・トリガー』『ゼノギアス』の血を継ぐ作曲家やからな。
その“時をめぐる音”の感覚が、アナデンでもしっかり息づいてるんよ。

でもそれだけやない。
アナデンには、マリアム・アボンナサー、土屋俊輔、伊藤賢治、濱本理央…って豪華な作曲陣が参加しとる。
それぞれが物語の空気に合わせて楽曲を編み上げてて、しかも複数の作曲家がいても一貫した世界観がブレへんってのがすごい。

そして何より、楽器編成のこだわりがエグい。
ストリングスは生音収録、民族打楽器やハープ、尺八まで取り入れてて、場所と時代で音色をガラッと変えてくる。
音楽そのものが“時空を超えてる”んや。

音とシーンのリンクで、感情に刺さる

アナデンの音楽の真骨頂は、シーンと完全に同期してるところにある。
「戦いの果てに」みたいな戦闘曲で、ストーリーの山場と一緒に音が盛り上がってくるときのあの鳥肌よ…。

中でも印象深いんは、クロノスメナス戦。
ただのボス曲やない。
“兄として、アルドがエデンと向き合う場面”を音で演出しとる。
混沌と悲哀が絡み合う旋律、そこにちょっとだけ希望が混じってる…。
まるで音楽が「お前ら、ようここまで来たな」って語りかけてくるみたいや。

演出と音のリンクがここまで自然で力強いRPG、なかなかないと思うで。

スマホの限界を超えた“生演奏の空気感”

スマホゲームって、大体は音源も容量制限で削られがちやん?
せやのにアナデンは、最初からフルクオリティの生演奏ベース
イヤホンで聴いたときの空気感、ホンマに“スタジオの空気が鳴ってる”ようなリアルさがある。

特にフィールド曲は、その“空気の鳴り”でプレイヤーの行動を自然に引っ張ってくる。
テンポが早すぎず、でも飽きへん。ずっと聴ける。
その辺のスマホゲーのループBGMとは完全に別次元。

あと、オーケストラコンサートもやっとるってとこがまたヤバい。
スマホゲーのBGMがコンサートホールで生演奏されて、ファンが涙してる――こんな現象、アナデン以外で見たことないわ。

しかもこのクオリティが無料やねんで、まじで意味わからん。

心に残り続ける名曲たち

アナザーエデンには、何年経ってもふとした瞬間に思い出す曲がある。
それってもう、“ただのBGM”やなくて“記憶”になっとるってことやと思うんよ。

たとえば「Another Eden〜時空を超える猫〜」ってメインテーマ、もうこれ聞くだけで旅の始まりと終わりが同時に蘇ってくる。
フィーネと再会した場面、アルドが自分の正体を知ったとき、クロノスメナスとの対決――
音が物語をまとめて記憶ごと持ってきてくれるような力がある。

あと、未来編での「エルジオン」や「IDAスクール」の曲な。
洗練された音作りの中に、どこか物悲しさがあって、「ここにはもう戻れんかもしれん」って感覚を自然に抱かせる。
この“場所の雰囲気ごと音にする”っての、ほんまに天才的や。

音楽だけで旅ができる――CD・配信の充実っぷり

アナデンは、ゲーム内だけやなくて公式サウンドトラックのリリースにも力入れとる
光田康典氏による『アナザーエデン オリジナル・サウンドトラック』はもちろん、追加ストーリーや外伝ごとに分かれたCDも出てて、コレクション欲が止まらんやつや。

Apple MusicとかSpotifyでも配信されとるから、通勤中や作業中でも聴けるし、「この曲…あのシーンや…」って自然に脳内再生始まるねん。
音楽だけで旅が再体験できる感覚、これがアナデンの“記憶型BGM”たるゆえんやと思うわ。

しかも、オーケストラVer.の編曲とかもあって、元曲よりも“想い”が詰まって聴こえるんよな。
まるで「ゲーム本編では語り切れんかった感情」を音で補完してくれるみたいやねん。

コンサートという“もう一つの物語の帰着点”

アナデンの音楽が“本物”やって実感する瞬間、それが公式コンサートやと思う。

2022年に開催された『アナザーエデン 時空を超える音楽会』では、名曲たちがフルオーケストラで披露されて、観客の涙腺が崩壊してたらしい。
「戦いの果てに」みたいな曲が生演奏されると、ほんまに“あの場面”がよみがえるらしいで。

ゲームの外にまで物語が滲み出して、音だけで再会できるって、ほんまに幸せな体験やと思う。
この「音楽もまた旅の一部」って感覚、アナデンならではやわ。

アナザーエデンにとって、音楽は“プレイヤーの記憶”そのものや

ここまで来たら、もうはっきり言える。
アナデンの音楽は、物語のBGMやない。
**プレイヤーの“感情の記録装置”**なんや。

アルドの物語も、フィーネの涙も、クロノスメナスとの決戦も、音と一緒に心に刻まれてる。
そしてふとした時に曲を聴いたら、また“あの旅”が始まるんや。

それが、“時空を超える”ってことなんちゃうかな。
物語だけやなく、音もまた、時間を越えて心を揺らしてくれる
それこそが、アナザーエデンの音楽が持つ“もう一つの時空”なんやろな。

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