正義を燃やすために火はある──IGNITE第1話あらすじ
TBS金曜ドラマ『IGNITE-法の無法者-』。
正直、オレは事前情報だけ見たときは、
「またよくあるダークヒーローもんか?」って思ってた。
けど、第1話を見た瞬間、
──あ、これめっちゃ巷説百物語やん、って確信した。
主人公・宇崎(間宮祥太朗)は、新米弁護士。
雇われた「ピース法律事務所」ってのが表向きはまっとうな事務所に見せかけて、
実際は“法で裁けない悪”を裏で燃やして消してる。
ただし、彼らはべつに「正義の味方」じゃない。
やってることは完全にアウト。
金で請け負う。プロとして。
誰かのために、じゃない。
需要があるから、やってる。それだけ。
自分たちが正義とは思ってない。
それでも、誰かの救いにはなってる──
そんな矛盾を抱えながら、彼らは火種を撒き続ける。
このスタンス、まんま巷説百物語の又市一味と同じや。
あくまで「プロ意識」。
「遺族のために…」とか「弱き者のために…」とか、絶対に表立って言わへん。
そういう甘さを持たずに、腹くくって生きてるんや。
しかも第1話では、裏でこっそり宇崎たちを支援してた協力者・神楽(及川光博)の存在が最後に判明する。
この展開も胸熱やったな。
けどここも誤解せんように。
及川ミッチー演じる神楽は、巷説でいう又市ポジじゃない。
又市的存在は、間違いなくピース法律事務所のボス・轟(仲村トオル)や。
全体を把握して、人を動かし、舞台裏を操ってるのは轟。
宇崎(間宮祥太朗)は、巷説でいう百介ポジ。
つまり、最初は裏の事情に戸惑いながら、次第に「自分なりの正義」に目覚めていく新人立場やな。
このキャスティング、めっちゃ絶妙やと思うわ。
キャストとキャラクター紹介|巷説百物語で言うなら…
- 宇崎健太(間宮祥太朗)
→ 百介ポジ。
→ 最初は裏稼業に戸惑うけど、徐々に火種を背負う覚悟を固める。 - 吉岡舞(上白石萌歌)
→ お銀ポジ。
→ 紅一点、現場に出ることもありながら、感情面でチームを支える存在。 - 田崎蓮(RYOKI/三山凌輝)
→ 徳次郎ポジ。
→ 若さゆえに勢い任せ、でも仲間を想う気持ちは人一倍。 - 轟誠一(仲村トオル)
→ 又市ポジ。
→ 全体を俯瞰し、人を動かして裏を仕切る絶対的存在。 - 神楽(及川光博)
→ 治平ポジ?(裏から支援する協力者)。
→ あくまで裏方であり、直接手は下さないが、情報や手段を提供する。
こうやって対応表作ったら分かりやすいやろ?
巷説百物語が好きな人間には、この構図だけでもご褒美や。
大人のための現代版『必殺仕事人』|渋さに酔う
IGNITEが単なる復讐ドラマと違うのは、
演出にある。
- 派手な銃撃戦なし
- ド派手な爆発もなし
- セリフも少ない
そのかわりに、
火を灯す音。
誰かの怨嗟に濡れた沈黙。
静かな画面から、怒りと哀しみが滲み出してくる。
これこそ、大人のための必殺仕事人。
正義を声高に叫ばない。
闇に沈んで、ひっそりと悪を焼き尽くす。
巷説好きなオレには、こういう「派手さゼロだけど芯が熱い」ドラマ、ほんまにたまらん。
静かな火種が、画面の奥でずっと燃え続けてる感覚──
こんなドラマ、久々やわ。
正義も悪も、すべて灰色──IGNITEが描くリアルな闇
IGNITEの世界に、真っ白な正義も、真っ黒な悪も存在せえへん。
いるのは、限りなく灰色に近い、誰かの事情と誰かの怒りだけや。
第1話でもそうやった。
宇崎たちが狙うターゲットは確かに悪党や。
けど、それを依頼する側も、完全に「正しい」とは言えん。
誰かのために火を灯すことは、同時に誰かを焼き払うことでもある。
轟たちはその矛盾を理解した上で、
「需要があるからやってる」
「金のためにやってる」
って顔をして、今日も火種を撒く。
けど、心の奥ではわかってるんや。
──これはただの金儲けなんかじゃないって。
──少しでも、この腐った世の中を、マシにするためやって。
その微妙なバランス感覚、
巷説百物語で又市たちがずっと抱えとった葛藤と、まるで重なって見える。
誰のためでもなく、自分たちのためでもなく、
ただ、今日も誰かが救われるために。
この「絶対に声高に正義を叫ばない」構えが、IGNITEの一番の魅力やと思う。
SNSの反応|静かな火種にハマる声、続々
放送後、X(旧Twitter)や掲示板では、
- 「静かに燃える復讐劇って最高」
- 「必殺仕事人みたいな渋さがたまらん」
- 「火種って表現が美しすぎる」
- 「間宮祥太朗の無言の怒り、演技うますぎ」
- 「巷説百物語みたいな重い正義観が好き」
──こんな声がポンポン上がっとった。
一方で、
「地味すぎる」「もっと派手なアクションが見たかった」
っていう意見も正直あった。
けどな?
このドラマは、最初から”地味にじわじわ燃え尽きる”のが美学なんや。
バチバチの火花とか、爆発とか、そんなもん求めたらあかん。
静かな火が、誰にも気づかれへんまま街を焦がしていく──
そういう世界観に惚れるかどうか、それだけや。
巷説百物語ガチ勢からしたら、
「これを待ってたんや!!」って叫びたくなる作品やわ。
IGNITEというタイトルに込められた覚悟
ここで改めて考えたい。
なぜ、このドラマは『IGNITE』ってタイトルが付けられたんやろう?
英語で”ignite”は、
「火をつける」「感情を燃え上がらせる」って意味を持つ。
でもこの作品では、ただの物理的な点火以上の意味がある。
IGNITE=火を灯す者たち、というだけやない。
- 法では裁けない悪に、密かに火をつける
- 社会にくすぶる怒りに火をつける
- 誰にも見えない「救いの火種」を撒いていく
それが、宇崎たち火種組の役割や。
火は破壊でもあり、再生でもある。
一度燃やすことで、次の世界を生む。
けれど、火は制御を誤れば、自分たちさえも焼き尽くす。
──だからこそ、彼らは火種であり続ける覚悟を背負ってる。
『IGNITE』という言葉には、
「誰にも裁かれず、誰にも理解されなくても、
それでも世界に火を灯す」
そんな、静かで強烈な意志が込められとるんや。
巷説百物語が描いた、人知れず誰かを救う裏稼業。
その魂を、令和の今、IGNITEが引き継いでくれる。
オレはそう信じたい。
今後への期待|火種たちの運命を見届けたい
第1話だけでも、すでにIGNITEは「ただの復讐ものじゃない」って格の違いを見せつけた。
今後さらに期待してるのは──
- 宇崎(間宮祥太朗)が“火種”としてどこまで堕ちていくか
- 吉岡(上白石萌歌)がどんな風に心を揺らしていくか
- 若手・田崎(RYOKI)が暴走する未来はあるのか
- そして轟(仲村トオル)が描く「正義の終着点」とは何か
そもそもこの世界では、全員が灰色。
宇崎たちも、いつか正義の火に焼かれる側になるかもしれん。
その運命を、
オレは最後まで見届けたい。
そして願わくば──
この作品が、
令和の「巷説百物語」として、
静かに、深く、長く、語り継がれていくことを。
IGNITE、絶対見逃したらあかんぞ。
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