『7 Days to End with You』ストーリー完全記録|ネタバレありで7日間を淡々と振り返る-後編-

初めに

前編はこちら
『7 Days to End with You』ストーリー完全記録|ネタバレありで7日間を淡々と振り返る-前編-

ここからは、5日目以降──
エンディングに向かって進む、ふたりの最後の時間を記録した記事や。

でも、ひとつだけ言わせてほしい。

4日目まで読んだ時点で、
もし少しでも、
「自分の手で最後を見届けたい」って思ったなら、
ここでいったん立ち止まってな。

この後編を読んでしまったら、
もう「知らなかった自分」には戻れへん。

本当に大切な瞬間は、
自分の心で、見て、感じて、受け止めてほしい。


【5日目】夜空の記憶


朝、主人公は目を覚ます。
体調はさらに悪化しており、
起き上がるのにも少し時間がかかるようになっていた。

ルリは、主人公の様子を見て、
これまで以上に慎重に行動を促す。

この日、彼女は庭に主人公を誘う。

外に出ると、空はすでに夕暮れに染まっていた。
庭のベンチに腰を下ろしたふたりは、
ゆっくりと夜空を見上げる。

ルリは、主人公に向かって静かに語りかけた。

「昔もこうして、一緒に空を見たね。」

主人公は、まだすべての言葉を理解できるわけではない。
それでも、ルリが何か大切なことを伝えようとしていることは分かる。

しばらく沈黙が続いたあと、
ルリはさらに続ける。

「あなたが私のことを忘れてしまっても……私はずっとあなたを想ってる。」

彼女は、どこか寂しそうに笑った。

主人公には、彼女の言葉の細部までは掴めない。
しかし、別れを予感させる空気だけは、確かにそこに漂っていた。

夜空にはいくつもの星が瞬いていたが、
ふたりはほとんど言葉を交わすことなく、
静かにその時間を共有した。

体調はさらに悪化しており、
夜遅くまで外にいることはできず、
主人公は早めに室内へ戻ることになった。

この日の終わり、
ルリは、普段よりも長く、主人公のそばに座っていた。

【6日目】迫る終わり


朝、主人公は目を覚ます。
起き上がろうとするが、体はさらに重くなっていた。

ルリは、主人公の異変に気づき、
これまでよりも慎重に声をかける。

この日は、庭に出ることも難しくなり、
ほとんどの時間を室内で過ごすことになる。

ルリは主人公のそばに寄り添い、
ときおり、優しく語りかけた。

「明日で……終わっちゃうかもしれないけど……」

彼女の言葉には、はっきりと別れを予感させるニュアンスがあった。
主人公は、その意味をすべて理解できたわけではない。
しかし、ルリが伝えようとしていることの重みだけは、感じ取ることができた。

この日、ルリは一層主人公の傍を離れようとしなかった。
食事も、飲み物も、ほとんど彼女の手で用意され、
主人公はそれに応じることしかできなかった。

会話は少なかった。
それでも、ルリは話しかけ続けた。

彼女は主人公の傍らに座り、
「だいじょうぶ?」
「無理しないで」
といった短い言葉を、時おり静かにかけ続けた。

大きな会話は交わされなかった。
それでも、途切れがちな言葉の合間に、
ルリの思いは静かに降り積もっていった。

主人公は、辞書に新しい単語を記録する余力もほとんど残されていなかった。

夜になると、ルリは主人公の隣に座り、
長い間、黙ったまま寄り添っていた。

言葉よりも静けさが、ふたりを包んでいた。

【7日目】最後の日


朝、主人公は目を覚ます。
体はさらに弱っており、自力で立ち上がることも難しくなっていた。

ルリは、主人公の傍に座り、静かに語りかける。

「おはよう。」

主人公が何とか体を起こすと、
ルリは、これまでと変わらない優しい声で話しかけた。

「今日は……特別な日だから。」

食事は用意されていたが、
主人公はほとんど手を付けることができなかった。

ルリはそれを咎めることもなく、
ただ主人公の隣に寄り添っていた。

しばらくして、ルリは主人公に向かって、はっきりと語りかける。

「もし……もう一度生まれ変われたら……」
「また、あなたと一緒に、笑いたい。」

その言葉の意味は、すべてを理解できたわけではない。
しかし、別れの時が近いことは、確かに伝わった。

ルリは、主人公の顔を見つめながら、
最後の言葉を伝える。

「だから、お願い。——私のこと、忘れないで。」

主人公は、選択を迫られる。

ここで選べる選択肢はただ一つ。
【「君を忘れない」と誓う】

主人公がその言葉を選ぶと、
ルリは小さく微笑み、
静かに、涙を浮かべた。

ふたりは、それ以上多くを語ることはなかった。

時間はゆっくりと、けれど確実に流れていき、
やがて別れの時が訪れる。

主人公の意識は、徐々に遠のいていった。


【エンディング】約束


視界が霞む中、
最後に見えたのは、ルリの笑顔だった。

彼女は、何も言わず、
ただ、そこにいて、主人公を見つめ続けていた。

そして、静かに幕が下りる。

約束は、確かに交わされた。
たとえ、この世界が終わっても、
たとえ、記憶が薄れていっても、
ふたりの間に生まれたものは、そこに残り続けた。


終わりに

ここに書いたのは、
ただの出来事の記録や。

ほんまに大事なんは、
この7日間を通して、
自分がどんなことを感じたか、やと思う。

あの時、
あの言葉、
あの空気を、
どんなふうに受け取ったか。

それは誰に決められるもんでもないし、
たぶん、今も、ずっと自分の中に残っとるはずや。

読んでくれて、ありがとう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました