御上の祝辞が示した“教育”のほんまの意味
卒業式での御上のスピーチ、あれがもう全編の中でも最も静かで、最も深かった瞬間やったと思う。
「考える力ってのは、正しい答えを出すためやない。答えの出えへんことに向き合い続ける力のことや」って言葉。
このセリフ、まさにこのドラマの【テーマの核】を突いてたな。
受験教育、偏差値、家庭の経済力、裏口入学、官僚との癒着――御上はそれら全部と向き合って、それでも「考え続けろ」って生徒たちに言った。
それって、「すぐに答えを出すこと」に慣れきってもうた今の社会へのカウンターパンチやと思うんよ。
答えの出えへんこと、たとえば「正しさって何?」「本当に人を救うってどういうこと?」みたいな問いに、逃げずに向き合える人間になってくれって、御上は願ってたんやろな。
大人の無責任の中で、希望はどこにあったんか?
最終話まで観て思ったんは、「この世界、ほんまに大人がしんどいな…」ってことや。
校長も、政治家も、保護者も、メディアも、全部“保身”と“圧力”で動いてた。
そんな中で、御上と槙野だけが「子どもを守るために何ができるか」をちゃんと考えとったんやな。
けど、それでも希望があった。それは、子どもたち自身の中にあったんやと思う。
千木良の告白もそうやし、それを受け止めたクラスメイトたちの表情もそう。
あの空気は、誰かに言われたからじゃなく、自分の中で何かが動いたって顔してた。
大人が守れへんのなら、せめて考える力を渡してやる。それが御上の教育やったんやな。
「終わってしもた」が、こんなに寂しいドラマ久々やった
最終話を観終わったあと、静かに「終わってしもた…」って呟いてもうた。
話としては決着ついた。でも、御上が投げかけた問いはずっと残ってる気がする。
この作品、【賛否】もあったと思う。「やりすぎや」「きれいごとや」とか言う声もSNSでは見かけた。
でもそれでも、このドラマが描こうとしてた「教育って何?」「正義って何?」って問いは、ちゃんと伝わってたと思う。
御上の正体は、ただの“熱血教師”やなかった。
あの人は、問いを残す教師やった。
「考え続けろ」っていう遺言を、生徒だけやなく視聴者にも残していったんやな、と思ったで。

教えるんやなくて、「考えさせてくれた」先生やった
『御上先生』、ほんまにええドラマやったな。
泣いたとか、スカッとしたとか、そういう感情よりも、観終わったあとにずっと“考えてる自分”がおる。
それこそが御上が残していったもんなんちゃうかって思うわ。
御上って、熱血でも説教くさくもない。けど、あの人の言葉や行動は、確実に誰かの心に爪痕を残してた。
「答えが出えへん問いに、向き合い続ける力」っていう言葉も、今の時代にはいっそう重たく響いたな。
子どもらを守るために大人がどう動くか――それが問われた最終話やったけど、実は一番大事なんは、「子どもに考える力を渡せる大人であれるか」ってことやったんかもしれへん。
そやからこそ、御上という先生は、特別やった。
そして、こんな物語を観たオレらも、ちょっとだけ“考える側の人間”になれた気がする。
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