はじめに
この記事は、
『7 Days to End with You』のネタバレ全開で考察するページや。
もしまだこのゲームをプレイしてへんかったら、
今すぐ閉じて、
何も知らんまま、あの7日間を自分の手で生きてきてな。
ここから先は、
あの世界を歩いた人だけ、進んでええ場所や。
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内容忘れてたりする人は、
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このリンクから話をおさらいして
ここから先に進んでや。
主人公目線で見た7日間
彼は、目を覚ました。
けれど、その世界には何もなかった。
名前も、記憶も、言葉さえも、
全てがどこかに置き去りになっていた。
そんな中、最初に出会ったのが、彼女やった。
何を言ってるのかはわからない。
けれど、その声だけは、温かかった。
彼はきっと、戸惑いながらも、
その声に、姿に、
微かな安心を覚えたんやと思う。
自分が誰かもわからない世界で、
そばにいてくれる存在がいる。
それだけで、
彼は一歩ずつ、
世界との繋がりを取り戻していった。
小さな言葉を覚え、
少しだけ笑って、
そして、彼女と空を見上げた。
その時間は、
きっと彼にとって、
途切れかけていた”生きる”という感覚を
もう一度手繰り寄せる日々やったんやと思う。
でも同時に、
体は日に日に弱っていった。
動けない自分を、
何も責めずに微笑む彼女に、
彼は心のどこかで気づき始めたんやろ?
「もう、長くはないんやろうな」って。
それでも、彼は、
最後までこの場所で生きようとした。
たとえ記憶が戻らなくても、
言葉をすべて理解できなくても、
“今”、この瞬間、隣にいる彼女と過ごす時間だけは、
何よりも大切やった。
そして、
別れが訪れたその日。
彼は、きっと最後の力を振り絞って、
こう思ったんやと思う。
「この気持ちだけは、絶対に忘れへん。」
それが、彼にとって、
たった一つの、生きた証やった。
ルリ目線で見た7日間
彼女は、彼が目を覚ますのをずっと待っていた。
でも——
彼は、何も思い出していなかった。
名前を呼んでも、
どんなに笑いかけても、
彼の目には、ただ「知らない世界」が広がっていた。
それでも、彼女は責めなかった。
きっと、胸の奥では、
何度も泣きそうになったやろう。
何度も、声をあげて泣き出したくなったはずや。
でも、彼女は笑った。
「大丈夫」って。
「焦らなくていい」って。
彼が混乱しないように。
悲しい顔を見せないように。
彼女は、毎日、当たり前みたいに隣に座り、
ごはんを作り、
言葉をかけ、
手を引いて、
外の光の中へ連れ出した。
それは、ただ楽しい日々やったわけやない。
彼の体が弱っていくことに、
彼女は気づいていた。
少しずつ、確実に、
その手が離れていく予感を、
彼女は誰よりも早く、誰よりも痛く、知っていた。
でも、何も言わなかった。
ただ、隣にいた。
夜、彼が眠ったあと、
そっと涙を流したかもしれない。
大声で泣いたら
彼に気づかれてしまうから
必死で声を殺して泣いてたんやろ。
でも朝になれば、
また優しく笑って、
「おはよう」と声をかけた。
そんなふうにして、
彼女は7日間を過ごした。
最後の日。
言葉も、体も、ほとんど動かない彼に向かって、
彼女はそっと願った。
「忘れないで」と。
それは、自分のためやない。
彼の心に、たった一片でもいい、
**「誰かと繋がった記憶」**を残したかったから。
それだけかもしれない。
そして、
彼が応えてくれた時、
彼女はきっと、
すべてを赦されるような気持ちになったんやと思う。
この7日間が無駄じゃなかったこと。
どんなに短くても、
ふたりの間に確かに生まれたものがあったこと。
それだけで、
彼女にとって、この世界は救われたんや。

「忘れないで」に込められたふたりの想い
最後の日。
体も、言葉も、記憶も、すべてが薄れていく中で、
ふたりは最後の約束を交わした。
主人公は「君を忘れない」と答えた。
その瞬間、たぶんルリは、
7日間ずっと抱えてきた寂しさも、悲しさも、全部溶かすように、
微笑んだんやと思う。
たとえ名前を忘れても、
言葉を失っても、
命が尽きても。
たったひとつ、
「君がいた」という記憶だけは、心に残った。
それだけで、
ふたりの7日間は、
確かに、永遠になったんや。
最後に
『7 Days to End with You』は、
細かい設定なんかどうでもええゲームやった。
ルリが誰なのか。
なんで主人公は言葉を失ったのか。
命が尽きたのか、生き延びたのか。
そんなこと、答えはいらんかった。
ほんまに大事やったのは、
ふたりが、互いを想い続けた7日間が、そこにあったこと。
『わすれないで』には
プレイヤーに込めた思いもあるんかもしれんな。
読んでくれて、ありがとう。
あの7日間を、
これからも、
君の中で、生かしてあげてな。
『二人が過ごした時間を忘れないで』
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