“ただのオッサン”がなぜこんなにカッコいいのか?
正直、最初はタイトルでちょっと笑った。
「片田舎のオッサンが剣聖?どんな設定やねん」と。けど見始めたら──すぐ分かる。これは“オッサンをナメてた”自分に刺さる物語やって。
ベリルの第一印象は、ただの冴えないおっさん。
地味やし、特別な才能もチートスキルもない。
けど、物語が進むにつれて、彼が積み重ねてきたものが少しずつ明らかになっていく。
「若くない」「才能もない」「今さら無理やろ」
──そんな呪いみたいな言葉に負けずに、ただ黙々と剣を振るう姿。
これがな、めちゃくちゃカッコいいんよ。
若い主人公なら“やって当たり前”な苦難を、ベリルは何倍もの努力と覚悟で乗り越える。
その過程に、俺たち視聴者は希望と共感を重ねてしまう。
しかも、彼は「見返してやる」みたいな逆恨みじゃない。
あくまで静かに、自分の信じた道を行く。
──この“熱さの表に出し方”が、まさに“大人の主人公”なんよな。
ベリルの強さは“圧倒”じゃなく“信念”から来てる
ベリルは最初から強いわけやない。
魔法もスキルもない、“普通の人間”として登場する。
けど、彼の強さは“剣の才能”じゃなく、“信念の積み重ね”からくる。
最も印象的なのは、「戦い方が理詰め」なところ。
派手な必殺技じゃなく、地形・タイミング・相手のクセ、全部を見極めた上で“確実に勝てる手”を選んでくる。
これって、若さの勢いだけでは絶対にできへん芸当や。
しかも、彼は自分の実力を過信しない。
常に冷静で、慎重。だからこそ、“ここぞ”という時に爆発的に強い。
剣聖と呼ばれるようになる頃には、その落ち着きと判断力が、まるで達人のそれ。
ベリルにとって剣は、相手を斬るための道具やない。
“自分が生きていくための道”であり、
“誰かを守るための意志の象徴”なんよな。
だからこそ、彼の戦いにはブレがない。
ただ強いんじゃない、「何のために強くなったのか」がハッキリしてるから、心を打つ。
アニメではモテモテなベリル、リアルでも通用する?
さて、ここで気になるのが──ベリルって、なんであんなにモテるん?
アニメ見てるとわかるけど、実はけっこうモテモテなんよ。若い子からも、落ち着いた女性からも。
でも不思議と嫌味がない。
“俺ツエー”でも“イケメン無双”でもないのに、気づけば女の子の心を掴んでる。
理由はシンプル。「器のデカさ」と「無自覚な包容力」や。
ベリルって、基本は無口やし無表情やけど、他人のことをよく見てる。
誰かが悩んでても押しつけず、ただそばにいてくれる。
助ける時も、恩を売るような態度は一切ない。
それって、**“守られる安心感”よりも“そばにいてくれる安心感”**なんよな。
圧をかけるわけでもない。
情熱を語るでもない。
ただ、「あ、この人には甘えていいかも」と思わせる柔らかさがある。
この“余白のある優しさ”が、特に20代後半〜30代女子にはズドンと刺さる。
学生時代ならスルーしてたようなタイプが、大人になると急に魅力的に見えるアレ。
ベリルはまさにそれ。
そして、何より大きいのが──“他人を否定しない”姿勢。
正しさで殴ってこない。無理に導こうとしない。
その代わり、自分が背中で見せる。
そういう男、実社会ではめちゃくちゃレアやで。
まとめ:オッサン主人公の新時代が来てる件
ここ数年、アニメの主人公像がちょっとずつ変わってきてる。
少年や高校生だけやなく、“オッサン世代”が主役の作品が増えてる。
それって単に作品の幅が広がったんやなくて──
“見る側の年齢層”も上がってるってことや。
実際、オレもそうやけど、今のアニメって「昔の少年たち」が「大人」になっても楽しめるものが増えてる。
ベリルみたいなキャラが人気になるのも、時代の流れやと思う。
・今さら夢なんか見られへん
・でも、何かもう一度やってみたい
・誰かの役に立てるなら、動きたい
そんな気持ちに、ベリルは無言で火を灯してくれる。
見た目も派手やない、語りも多くない。けど、その“背中”が語ってる。
今の時代、「静かな強さ」が求められてるのかもしれへん。
そして──“片田舎のオッサン”が、実は一番カッコいいってことに、俺たちはようやく気づき始めてるんやと思う。
コメント