“信じる力”が生んだ幻想と罪
こっから先はネタばれ有りや。
まだ見たくない人は回れ右。
見終わって話を共有したい人だけ進むんやで。
公式HPはこちら→都市伝説解体センター
【ネタバレ全開】最初から最後までのあらすじ
主人公・福来あざみは、念視能力を持つ大学生。
ある日、「呪われた椅子」に座ってしもたことで、
都市伝説を調査・解体する謎の組織「都市伝説解体センター」に入ることになるんや。
一緒に働くのは、クールなセンター長・廻屋渉。
それから、SNSに強くてノリ軽めの調査員・ジャスミン。
この3人でタッグ組んで、「ベッドの下の男」「消える通学路」など、
全国で広がる都市伝説を調査していくねん。
せやけど、物語が進むごとに「ん?」って思う違和感が積み重なってくる。
廻屋とジャスミンの言動はどこか現実離れしとるし、
あざみ自身の記憶にも曖昧なところが多すぎる。
──ほんで最終話。
実はこの3人、全員**如月アユミっていう一人の少女の“別人格”**やって判明すんねん。
つまりセンターも事件も、全部アユミの頭の中で起きてた出来事ってわけや。
しかもアユミには、
「兄が“存在しない都市伝説”を信じた人らに冤罪で殺された」って過去がある。
そのトラウマから逃げるために、
アユミは心を守るシェルターとして、人格を分裂させたんやな。
ラストではプレイヤーに、
「現実に戻る」か「このまま人格たちと生きる」か、
選ばされることになる。
3人のキャラは、アユミの“心のかけら”
- あざみは、兄の死と向き合ってる“記憶と痛み”
- 廻屋は、冷静に分析する“理性と防衛本能”
- ジャスミンは、周囲と繋がりたがる“明るさと逃避願望”
バラバラになった心のかけらたちが、
都市伝説を調査してるように見えて、
ほんまはアユミが自分の内面を整理しようとしてただけやったんや。
兄の冤罪と「信じること」の暴力性
アユミが壊れたのは、兄の冤罪事件がきっかけや。
“存在しない都市伝説”を、周囲の人間が本気で信じてもうて、
そのせいで兄は殺された。
嘘の噂でも、みんなが信じたらそれが“真実”になる。
それがどれほど危ないか、アユミは骨の髄まで知っとる。
だからこそ彼女は「信じた人間を許さない」って決めた。
そして、都市伝説を“解体する側”になったんや。

解体されてたんは、都市伝説やなく“幻想”やった
このゲームで何回も出てくる「解体」って言葉。
実はただの怪異退治やない。
「なんでこの都市伝説が広まったんか?」
「誰が、何のために信じたんか?」
その構造を分解して、幻想そのものをぶっ壊すのが目的や。
つまりあの調査パートは全部、
アユミ自身が自分の中の“怖れ”や“信念”を壊していくプロセスやったんやな。
今思えば…伏線、全部張られてたやん!
あとから振り返ったら、伏線めちゃくちゃ張られてた。
- 廻屋が全部見通してる → アユミの理性そのもの
- ジャスミンがSNS得意 → 自分の明るい仮面を保つツール
- あざみの念視 → 記憶を掘り起こす力=心の深掘り
見てる時はなんも気づかんけど、
終盤で真実を知ってからやと「うわ、最初からか…」ってなる。
ほんまようできてるわこの脚本。
プレイヤーが“信じてた”世界が、全部ウソやった
これが一番ゾッとするところやけど、
プレイヤー自身も「センターの一員」になった気でおったよな?
でも実際は、全部アユミの内面世界。
プレイヤーが操作してたのは、現実やなくて“彼女の中の物語”。
つまり、こっちが信じてたことすら、壊されていくねん。
「何を信じるか」を問われてるんは、アユミやなくてプレイヤーやったんかもしれん。
まとめ|これは“問い”を投げてくる物語や
『都市伝説解体センター』ってな、
ただのホラーでも推理ゲームでもない。
“信じること”がどんな力を持ってて、
どれだけ人を救えて、逆に傷つけるか──
それを、ポップな見た目の裏で突きつけてくるゲームや。
SNSやネットに溢れる言葉、噂、共感。
ほんまにそれ、信じてええんか?
このゲームやったあと、そんなことを考えずにはおれへん。
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