フジテレビ系ドラマ『Dr.アシュラ』第3話。
主人公・杏野朱羅(松本若菜)の医師としての成長と覚悟を描くこの作品やけど、今回ばかりは朱羅じゃなくて“梵天太郎”の物語やったって言いたい。
【第3話あらすじ】“ゴッドハンド”がやってきたはずが…?
帝釈総合病院に、日本屈指の心臓外科医・梵天太郎(荒川良々)が移籍してくる。成功率99%のゴッドハンドという触れ込みで、病院内は大騒ぎ。
医療の現場では、“数字”というわかりやすい評価軸を持つ者が注目されがちやけど、この梵天もまさにその象徴やった。
けれど――すぐにわかる。「この人、なんかおかしいぞ」と。
梵天は、成功率の裏で**「失敗しそうな手術はやらない」**というスタンスを取っていた。
周囲への当たりも強く、自分がスカウトされたことを鼻にかけるような態度。そんな彼の存在は、朱羅ら救急チームにとっても、まったく信用ならないものやった。
そんな中、世界的金融会社のCEO・スティーブ・フィンク(厚切りジェイソン)が来院。のちに心臓腫瘍で倒れ、緊急手術が必要になるが――
またしても梵天は「自分の専門ではない」と逃げようとする。
けど、事態は待ってくれへん。
朱羅が手術を代わろうとする瞬間、彼が静かに、でもはっきりと言った一言。
「今からここは、私の修羅場だ。」
この一言で空気が変わる。
手術室の緊張、患者の命、そして自分自身への問いかけ。すべてがこの瞬間に凝縮されてた。
「逃げたいけど逃げきれなかった」男がいちばんかっこええ
梵天というキャラクターは、典型的な“ひねくれヘタレ枠”に見えた。最初から熱血でもなく、正義感の塊でもなく、むしろ医療の現場で生き抜くためにリスクを避けてきた人間や。
けど、それでも逃げきれんかった。
患者の命を目の前にして、朱羅の覚悟を見て、やっと自分も腹くくったんやろうな。
この流れ、正直めちゃくちゃベタや。
でもやっぱり“覚悟で人は変われる”っていうのは、いつ見ても響くもんがある。しかもそれを荒川良々が演じるってのがまたいい。
良々=梵天は、ただのコミックリリーフやなかった
荒川良々って、ゆるい役・愛されキャラが多い分、「またその枠か」って思われがちやけど、実はずっと一貫して“人間くさい役”を演じてきた俳優やと思う。
梵天はまさにその極地。
逃げる理由も分かるし、開き直る姿勢もなんか憎めない。でもいざとなったら責任を引き受ける。その“バランスの悪さ”こそが、めちゃくちゃリアルで、今回の主役にふさわしかった。
まとめ|今回は朱羅の物語やなく、“梵天の修羅場”やった
第3話は、主人公・朱羅の覚悟を描く物語であると同時に、梵天という男の“変化”を描いた回やった。
最初からヒーローじゃない人が、ほんのちょっと覚悟しただけで物語の主役になる。そんなドラマが、やっぱりいちばん胸に刺さるんよな。
次回以降も朱羅視点に戻っていくやろうけど、今回だけは声を大にして言いたい。
「第3話の主人公は、間違いなく梵天やった」
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