『イグナイト』第3話感想|不法労働の闇と、「お前は加害者遺族だ」の衝撃

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技能実習生クオンが背負わされた“不正の現場”

第3話で描かれたのは、
外国人技能実習生・クオン(パース・ナクン)の“労災事故”とされる事件。

「自分の不注意でした」
そう繰り返す彼の姿に、宇崎(間宮祥太朗)と伊野尾(上白石萌歌)は違和感を抱く。

港町まで足を運び、
地道な聞き込みと粘り強い調査を続ける中で浮かび上がったのは、
クオンが産業廃棄物の違法処理に関与させられていたという衝撃の事実。

事故は、クオン自身の責任ではなかった。
むしろ、不法な労働環境に追い込まれた末の“当然の結果”だった。

企業は「技能実習生」の制度を隠れ蓑にして、
安価で危険な作業を押し付け、事故が起きれば“自己責任”の一言で済ませる。
まるで使い捨て。

この社会構造への怒りが、
視聴者のあいだでもじわじわと広がっていた。

「めっちゃリアル…日本社会の縮図すぎてしんどい」
「技能実習って名ばかりで、実態は労働搾取やん」
「宇崎と伊野尾が“怒る”じゃなくて、“向き合う”感じが良かった」

そして宇崎たちは、
企業の社長・二見(ドロンズ石本)の虚偽証言を見破り、
違法な実態を突き止め、法廷で勝利を勝ち取る。

弁護士ドラマとしてだけでなく、
「見逃される声を拾う物語」としての力強さがあった回やと思う。


伊野尾の“いのお”が可愛いだけじゃない理由

今回特に注目が集まったのが、伊野尾の存在感やった。

「伊野尾ちゃんって呼んでいいよ」
そう優しく微笑む彼女の語尾に時おり添えられる、「いのお」。

SNSでも、

「語尾が“いのお”って可愛すぎる(笑)」
「某“いのちゃん”っぽさに毎回癒される」
「でもただの癒しじゃなくて、言葉に重みがある」

という声が多数。

たしかに、第一印象は「かわいい」「マスコット的」かもしれない。
でも、その裏にはしっかりとした“芯の強さ”がある。

クオンの心に寄り添い、
小さな違和感を見逃さず、丁寧に言葉を重ねていく姿勢。
決して声を荒げず、理詰めで詰めるわけでもない。
でも、クオンに「信じていいかもしれない」と思わせる、
そんな“柔らかい説得力”が伊野尾にはある。

上白石萌歌が演じるこのキャラクター、
ほんまに絶妙やと思う。

視聴者の中には、

「伊野尾の存在がなかったら、今回の事件は動かなかった」
「“声にならない声”をちゃんと聞いてあげるって、簡単そうで一番難しいよな」
「伊野尾、弁護士というより“救い”やん」

という共感が多く、
ただのサブキャラに留まらない、物語の軸のひとつとして育ってきてるのが感じられた。

そして、宇崎との関係性もどんどん良くなってきてる。

熱血一直線の宇崎に対し、冷静でしなやかな伊野尾。
今回のような複雑な事件でも、ぶつかることなく自然と役割分担ができていて、
二人の絆にじわっとくる場面もあった。

そしてラスト…轟の口から飛び出した“過去の真実”

クオンの勝訴が決まり、
現場の空気にも一瞬だけ、ほんのわずかな安堵が流れた――
その矢先。

事務所に戻った宇崎に、轟(仲村トオル)が静かに語りかける。

「お前の父の事故で、俺の娘は死んだ」
「お前は加害者遺族だ」

突き刺さるような静寂が走る。
誰もが予想していなかった言葉。
轟の口から、あの冷静な男の口から出てきた“感情”の正体。

ここまで、宇崎のことを「能力はあるが粗削り」と評し、
時に厳しく、時に突き放すように接していた轟。
でもその背景に、そんな過去があったなんて――。

SNSでも驚きと動揺の声が飛び交った。

「まさかの告白に鳥肌」
「この二人の関係性、今までとは全然見方が変わる」
「てか、加害者遺族を雇ってるとかどういう心境やねん…?」

実際、視聴者の中にも混乱した人は多かったと思う。
でも、そこにこそこのドラマの深さがある。


被害者遺族はなぜ“加害者遺族”を雇ったのか?

轟は知っていた。
宇崎が“あの事故”の加害者の息子であることを。
それでも、彼を雇った――いや、それだけではない。

彼の借金を肩代わりしてまで、事務所に迎え入れた。

なぜ?

ここにあるのは、
「正義」という言葉では片付けられない、
もっと複雑で矛盾した感情の渦やと思う。

轟は、“娘を奪われた人間”として、
その怒りをどこにぶつければいいかも分からず、
許すことも、忘れることもできずに生きてきた。

それでも彼は、
宇崎をあえて“救う側”に立たせた。

「罰する」じゃなく、「見届ける」選択。

「加害者遺族」として生きる宇崎が、
この法の世界で何を背負い、何を選び取るのか。
その“道のり”こそが、轟にとっての裁きであり、赦しでもあるのかもしれない。

視聴者の中にはこんな声も。

「轟さん、自分の中で一生消えへん怒りを“仕事”で昇華しようとしてるんかも」
「誰かを許すっていうより、“許せないまま向き合う”選択に見えた」

この関係性、優しさだけでも復讐だけでもない。
どちらにも振り切れない、でも**現実にある“感情のグレーゾーン”**をえぐってくる。


来週の第4話は、特許や発明をめぐる知的財産系の訴訟が舞台。
けど、本当に気になるのはその裏で静かに燃え続ける
轟と宇崎、そして“罪と正義”の行方

『イグナイト』、想像以上に深くて、しんどくて、見応えありすぎや。
これはもう、“毎週心を抉られる覚悟”で観なあかんやつやで。

YUNA
オタク脳で世界を見てる中の人。
考察、推しかつ、テレビの茶々入れが日課。
ゆるく楽しんでもらえたらそれで十分。
気が向いたら、他の記事も読んでってな。
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