茜が仕掛けた“信じる実験”が崩れていく
第4話の前半、茜の行動にはちょっとした希望があった。
「人の良心を信じてみたい」
そう言って、模試の解答が見れる不正リンクを記したカードを生徒たちにこっそり配りはじめる。
一見すれば、他人を試す冷たい仕掛けに見えるかもしれへんけど、実は茜なりの「人間を信じたい」っていう、微かな願いが込められてた。
けどその実験が崩れるのはあっという間やった。
校内で再び怪しい動きがちらほら見え始め、盗聴器が仕掛けられてることが発覚。
誰かが、明確に「監視」している。
そんな中で、篠崎が「犯人に関する情報を持ってる」と茜に打ち明ける。
それも、「犯人は、今もこの学校の中にいる」と──
篠崎の言葉が示す“犯人像”とその絞り込み
この「今も中にいる」ってセリフ、実はめちゃくちゃ重要や。
例えば黒川が犯人やった場合、彼がその瞬間、学校に“確実にいた”とは限らへん。
職員ではあるけど、自由に出入りできる立場やし、篠崎がああ断言するにはちょっと不確定。
ってことは、篠崎が示した「犯人」はもっと内側にいる、常に学校内にいる人間の可能性が高い。
つまり、
- 他の生徒
- 担任や教科担当の教師
- 校長・教頭などの内部職員
こういった“日常的にそこにいる”存在が、黒幕やって可能性がグッと高くなる。
“通知音”が導いた、黒川=犯人のミスリード
今回、演出的にめちゃくちゃ意味深やったのが「通知音」のシーン。
茜のスマホに届いたグループLINEの通知と全く同じ音が、黒川の車内の作業ボックスから聞こえるという異常事態。
この時、視聴者の多くは「えっ、黒川がスマホ盗んでる?」「盗聴してる?」ってゾクッとしたと思う。
しかもその直後に、篠崎が殺される。
タイミング的に見れば、「篠崎のスマホが黒川の車にあった=黒川が殺した」と直結しそうな流れ。
でも──これはあまりにストレートすぎる。
ここで思い出してほしいのが、篠崎は以前「スマホなくした」って言ってたこと。
もしそれが今回も起きてたとしたら?
- 篠崎はスマホをまたどこかに落とした
- 黒川がそれを拾って、保管してた(職員としては自然)
- 篠崎は探してる途中で、真犯人と接触
- そのまま殺された
っていう構図も成り立つ。
つまり、黒川は**「疑われるように仕向けられた」**存在かもしれへんってことや。
この通知音の演出、明らかに“視聴者にミスリードを仕掛けてる”匂いがプンプンする。
篠崎殺害──これは偶然やない、強い“意志”のある殺人や
第4話のラスト、教室に駆けつけた茜が見たのは、倒れている篠崎の姿。
“口封じ”──
この言葉が、誰よりも先に浮かんでしまうようなタイミングでの殺人。
篠崎は「犯人に関する情報を持っている」と言った。
そして、「今も校内にいる」とまで言った。
その直後に殺されたってことは──彼女の“知ってること”は本物やったと考えるのが自然や。
それを封じるための、意図的な殺人。
この事件で、『MADDER』はようやく「ミステリ」としてのギアを本格的に入れてきた感じがある。
茜は“ゲームの参加者”でしかない?
そしてここもポイントやけど、今回の事件──篠崎の殺害──は、茜の仕掛けとは無関係なところで起きてる。
つまり茜は、主導権を握ってるように見えて、
実は“別の誰かが用意したゲームの中に巻き込まれてる”存在かもしれん。
5話以降は、茜がもう一歩踏み込んでいくことになるやろうけど、
その先で“誰がルールを作ってるのか”が少しずつ見えてくるはずや。
次回予告の段階で、さらに警戒すべき人物が浮上するような描写もある。
『MADDER』は、犯人捜し以上に「構造そのもの」を疑わなあかん作品かもしれんな。
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